森友学園問題から歯科治療を考える

おもしろ話
Houses of Parliament (Japan)

森友学園問題って何?

森友学園問題、皆さんも言葉くらいは、聞いたことがあると思います。財務省による文書改ざんが疑われ事件ですね。安倍昭恵夫人との関係がクローズアップされた籠池夫妻、国会の証人喚問に呼ばれて「知りません」を貫き通した佐川元理財局長、皆さんもなんとなく記憶に残っているのではないでしょうか。

当時僕は多くの国民と一緒で「財務省よ、ふざけるな」と思いましたね。そりゃそうです。僕は税理士もきちっとつけて、せっせと税金を納めていましたから。財務省が「知りません」でまかり通るんだったら、僕も税務調査が入った時に「知りません」で通せるようにしてほしいと思いましたよ。

森友学園問題と歯科治療がどう関係あるの?

「森友学園問題から日本の歯科治療を考える」ということで、「どんな関係性があるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、関係は大ありなんですね。学校のを立ち上げるのも、歯科治療も人間同士の営みなんで、似たような問題が起きています。

今回の財務省の問題を要約すると、「皆都合が悪いことは隠す、知られたくない」ということ。このことが歯科治療にも関係しているということです。

気持ちはわかります。誰だって知られたくないことがあるし、知られて誰かに怒られたり、自分に被害が降りかかってくることであれば、隠したい気分にもなります。まあほんとに100%ばれないんであれば、隠してもいいかなと思いますが、現代社会はそうは甘くない。これだけ情報化社会が進み、技術革新が進むと、すべてのことを証拠隠滅しようとしてもほぼ不可能。何かしらの情報が残っちゃう。不倫だってばれなきゃいいんでしょうが、ラインの履歴やらなんやらで絶対足がつくわけです。

ただ隠すにしても、その内容によります。財務省は国民の金を管理しているんだから隠していい訳ないでしょ。隠してばれて責任が取れるかどうかですね。隠してもOKなのはプライベートのことくらいではないでしょうか。プライベートは自分のことなんで勝手にやってくださいという感じですね。責任も自分が負えばいい。

人間である以上、隠すのはしょうがない

ここで歯科治療の話へ戻りますが、同じことが言えるわけです。都合の悪いことはなるべく隠したい…人間の性なんでしょうね。ただしプライベートでもなんでもない、人の体をいじるというある種崇高な行為である歯の治療は、”なるべく”隠しごとはなしにしなければならない。

僕はかつての歯科医はでたらめだったと思っています。説明もほとんどせずに、将来的に歯が失われることが確定している治療を繰り返し続けてきた。患者さんは「痛い、欠けた、咬みにくい」くらいしか分からない=バレないということを利用して、いろんな事実を伏せながら治療に当たっていたことは事実です。残縁ながら開業医の人気のバロメーターは治療のレベルではなく、いかに患者さんの満足感を高めれるかにあります。実はこれは全てのサービス業に言える話ではありますが・・・。

世の中には専門家から見ると「なんだこの治療は!?」という治療が溢れ返っています。それは悲惨な状況ではありますが、逆に知らないでよかったのかもしれません。歯の治療というのはかぶせてしまえば、中身はよくわからないし、そもそも患者さんは何が起きているかがよくわからないので、失敗したって何とでも言い訳できちゃうんですよね。

歯科医の方にも言い分はある!?

ただ実は歯科医の方にも言い分はあります。さきほど”なるべく”といいましたが、歯科的知識のない人に何でもかんでも馬鹿正直にやっちゃうとそれはそれでうまく行かない。言うなれば子供に大人の事情をどう説明するかに近いですね。「痛くないからとりあえずこの歯放っておきたい」という患者さんになぜ治療が必要か、抜く必要があるのかを理解してもらうのは非常に難しい。そうであるならばとりあえずその場はうまく取り繕って、心の中で「痛くなったらまた来るだとう」と呟いて余計なことはしない方が、断然楽なわけです。

また昔は歯医者の数も少なく、1時間待ちの3分診療なんて言われていましたが、より多くの数の患者さんを診るのであれば、ひとり頭に割く時間は減りますし、とにかく保険治療が安い治療だから(これは現在もです)懇切丁寧になんてやっていたら赤字になっちゃうんですよね。いかに時間を使わずに効率的に売る上げを上げるようにすべきかと考えると、その場を取り繕うためにやさしいウソだってついちゃいますよ。

歯医者選びは難しい?

今は歯科医院もサービスが向上し、説明なんかもきちんとしてくれる所が多くなってきたと思いますが、そもそも説明をきちんとする義務なんかあるの?って思うほど安い料金でやっているので、このあたりは歯科医院側もきちんと患者さんに言っていく必要があるのだと思います。

いずれにせよ、他人は本当のことはなかなか言ってくれないということです。心の中で思うことの半分くらいでも口に出しているのであれば、その人はオープンに発言する人だと思います。歯医者も人間、すべてをオープンに発言しているわけではありません。でも僕はなるべくオープン、正直に対応するのが人間のあるべき姿だと思っています。

では患者さんとしてはどうすればいいのか?本当のことを言ってくれない歯科医院に通うのは恐い!そう思ってしまいそうですが、最後は人間同士、信頼関係を築いていくしかないでしょう。通院している間に信頼関係が築ければ、歯医者の方だっていろんな面でよくしてくれるに違いありません。歯医者の方も患者さんに正直に言っても大丈夫だなと思ってもらえれば、隠し事もしないでしょう。隠し事がばれるようになった今の時代だからこそ、信頼関係をベースに歯医者との関係を築いてもらいたいなと思います。

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