正社員とパート、歯科医院経営にとってどのような影響がある?

病院経営

正社員とパートという雇用形態があるけど、どちらを雇ったほうが経営的に良いのだろうか、、、

給与面での影響

給与面で考えると、正社員とパートでは圧倒的に正社員の方が給与(経費)がかかります。

賞与

多くの歯科医院では一般企業と同様に年2回の賞与を設定している医院が多いと思います。正社員であれば賞与を出しますが、パートは出さないという医院が一般的ですから、正社員が増えると当然従業員の給与=人件費が増加します。

仮に給与が20万円の従業員に1年に3ヶ月分の賞与を出せば、一人当たり年間60万円の負担になります。これはかなり大きな金額です。

社会保障費

社会保障費の主たるものは健康保険と年金です。

健康保険は歯科医師国保に入ることが多いと思いますが、通常の社会保険と違い会社(病院)が半分負担することはありません。

年金に関しては、厚生年金に加入するのであれば、半分は病院が負担する必要があります。医療法人の場合は厚生年金への加入が義務付けられています。最近は従業員も就業するにあたり、厚生年金に加入できるかどうかに目を光らせています。病院が負担する社会保障費は今後増額していくでしょう。

退職金

病院の規定によりますが、正社員であれば退職金制度を設けていることが多いと思います。退職金は中退共(中小企業退職金共済事業本部)に加入している場合も多いかとも思いますが、その場合は従業員でれば月1万円くらいを積み立てていくケースが多いです。年間12万円の負担になるので、決して小学とは言えない金額です。

各種手当

妊娠から出産、出産後にかけては国の方でも支援をする法整備がなされています。正社員であれば出産一時金や、出産中の給与(満額ではない)の受け取りが可能です。また有給もカウントされます。

女性の妊娠出産や子育てのサポートは当然大切だと思いますが、これは国家戦略であり、国費で賄うものだと考えています。現時点においては企業、特に中小企業における負担は相当大きいと考えています。

労務面での影響

雇用に関して

正社員の前に試用期間というものがあります。試用期間ないであれば、病院サイドの都合で辞めさせることが可能です。試用期間というのは大変重要な期間になりますので、その従業員が将来的に病院で協力的に働いてくれるのかを見定めていく必要があります。

退職に関して

世の中にはいろんな人います。経営者にとって頭を悩ませる従業員が出てくるということはよくあることです。真面目に働かない、患者さんのクレームが多い、従業員とのトラブル、院長の指示に従わないなどの様々な問題が出てきます。

そのような場合でも従業員を辞めさせることはできません。その従業員が自分から辞めると言わない限り、辞めさせることができないので、正社員というのは法律的にきちんとした身分として認められているので、簡単に首を飛ばすことはできません。

また従業員側が辞めたいときは法律的には辞職願を出してから2週間以内で退職できます。病院の就業規則で、退職数ヶ月前に事前に報告するように義務付けているものもありますが、効力は全くありません。

勤務、シフトでの影響

正社員は基本的にフルタイムでの勤務になります。ゆえにシフトを組むのが大変難しくなります。病院にも忙しい時間帯と比較的緩やかな時間帯はありますが、正社員に関してはシフトでコントロールすることはできません。

一方パートであれば、シフトを組むことができ、効率的にシフトを組むことができれば、無駄な経費を削減できると考えます。

まとめ

正社員が良いのかパートが良いのかは一概に言えませんが、正社員の方が経費(人件費、厚生費等)がかかることは間違い無いですが、一方でパートであれば、その分多くの人を雇ったり、従業員の出入りが頻繁になることが予想されます。

病院の経営状況や求人倍率によってもどちらの雇用形態が良いかは変わってきます。事前に正社員とパートの違いをよく理解して雇用するようにしましょう。

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