アタッチメントの付け方の重要ポイント

アタッチメントはインビザライン治療において重要な役割を担っています。必要な場所に適切に付与することが大切であり、治療成功の鍵を握っていると言っても過言でありません。ここではアタッチメントをきちんとつける秘訣を解説していきます。

「アタッチメント」とは、歯の表面に取り付けるレジン製のポッチのことです。

インビザライン矯正では、このポッチが非常に重要な役割を果たします。アライナーを歯にしっかり密着させたり、歯に効率的にチカラを加えたりというのがアタッチメントの役割です。

アタッチメントの付け方が悪いと、途中で外れてしまったり、歯を予定通りに動かすことができなかったりします。

そのため、アタッチメントは、正しい手順で厳密に装着することが非常に重要です。

アタッチメント装着に必要となる器材

歯面研磨材

レジン

ボンディング材

エッチング材

照射器

カーバイドバー

アタッチメントを付けるタイミング

アタッチメントをつけるタイミングは患者さんがアライナーの脱着に慣れてから行うようにします。

なぜなら、アタッチメントを付けると、アライナーの着脱が極端に難しくなってしまうからです。

そのため、アタッチメントが無い格好のアライナーにおよそ1ヶ月ほど慣れてもらって、その後にアタッチメントを付けた方が患者さんにとって着脱のハードルが下がります。

アタッチメント装着の手順

アタッチメントテンプレートの準備

アタッチメントテンプレートは、先生によっては正中もしくは犬歯−第一小臼歯間で切断し、2つもしくは3つのパーツに分けた状態で使用することもありますが、基本的には一塊で行う方が良いと考えています。

アライナーの準備・試適

テンプレートとアライナーが全体的にしっかりフィットしていることを確認します。

前歯の切端および臼歯の咬頭部分の浮き上がりを目で確認したり、アライナーを指で押さえてガタつきの有無を確認することによって、フィットの状態を判断することができます。

歯面の清掃

アタッチメントを装着する部分の清掃を行います。その際、研磨剤を使ってしっかりと磨きます。

フロスや探針を使って歯面にプラークが残っていないことを確認するようにしてください。プラークが残っていると、レジンの接着力が低下し、脱離の原因になってしまうからです。

歯面の処理

材料の指示に従って、エッチング処理およびボンディング処理を行います。

アタッチメントの硬化

光を照射し、コンポジットレジンに硬化します。

バリの除去

テンプレートを取り外し、アタッチメント周囲のバリ(=はみ出した部分)を丁寧に除きます。

アタッチメント周囲のバリは、アライナーの不適合の原因になります。そのため、バリの除去をしっかりと行うことが肝心です。

アライナーを装着

最初のアライナーを、口腔内に装着します。

アライナーと歯面がしっかり適合していること、およびアライナーとアタッチメントがフィットしていることをチェックします。

アタッチメントの装着でのポイント

特に重要なポイントを3つまとめます。

1、乾燥・防湿

アタッチメントはレジンを歯の表面につける処置です。レジンを接着する際に水分が混じると接着力が落ちてしまいますので、確実に乾燥、防湿を行う必要があります。

そのために必ずアングルワイダーを使用するようにして下さい。

2、光照射前の圧接

レジンをアタッチメント装着用アライナーに充填して、口腔内にアライナーを装着した後に光照射をしますが、照射前にアライナーをしっかり圧接することが大事です。しっかり圧接すれば陰圧でアライナーが歯面に吸着してくれます。

3、光照射後のアライナーの脱着

レジン硬化後にアライナーを脱着する際は、一度探針でアライナーを浮かせて取る必要性があります。いきなり手で外すこともできますが、光照射後はレジンとアライナーがくっついているので、先に探針でアライナーを浮かせて取るとアタッチメントの脱離やアライナーの変形を防げます。

まとめ

アタッチメントの形態が不良だったり、接着が不十分だったりすると、インビザライン治療をスムーズに行うことができません。

そのため、アタッチメントの装着を行う場合は、正しい手順で正確に行うことが大切です。そうすることによって、アタッチメントが脱落したり、歯の動きが悪かったりするトラブルを予防することができます。

上記の手順をしっかり理解して、アタッチメントの装着を確実に行うようにしてください。

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