歯科医師会って必要?

おもしろ話

この記事は以下のような人におすすめ

  • 歯科医師会という言葉は聞いたことがあるけどよく分からない
  • 歯科と政治の関わりを知りたい
  • 歯科医師会に入る義務、必要性はあるのかを知りたい

歯科医師会は歯科医師を守るための団体である

歯科医師会と聞いてどんな団体かイメージが湧きますか?よく分からない人も多いと思います。一言でいうと「歯医者を守る団体」でしょうか。これは他の業界団体と同じです。弁護士会なら弁護士を守るし、相撲協会なら相撲取りやそのOBを守ります。歯科医師会は歯科医師を守るために存在し、歯科医師が有利になるようにいろいろと頑張るのです。

開業医が忙しい理由の一つに歯科医師会の仕事があると思います。特に田舎などの会員数が少ない地域では必ず役員の順番が回ってきます。自治会の班長や監査を誰かがやらないのと一緒ですね。

僕はかつて保険制度の役員の仕事をしておりました。毎年2年に一回4月に保険診療報酬改定(処置の料金が変わったりする)が行われるのですが、その時期は特に忙しくしておりました。改定により保険内での病院の料金や治療内容が2年に一回変わるので、どのように変わるのかを会員にアドバイスをしたりします。その実態はどのように算定したら、より楽に点数が上がるのかというものです。

変更内容としては、詰め物を入れるために歯を削る料金が1000円と決まっていたものが、改定により1100円に変わったり、骨の再生治療等の新たな治療が保険のラインナップに加わったり、水銀を使った詰め物など従来の治療が廃止になったり。2年に一回ちょこちょこと料金や治療のラインナップが変わっていると言う訳です。

歯科医師会の体質は今のままで良いのか

業界団体が自分たちの立場を有利になるように頑張るのは賛成ですが、問題はそのやり方ですね。今だに連絡はFAXが中心というくらいですから、やはり今も昔の悪しきやり口が残っています。陰でコソコソが大好きです。

歯科医師会(正確には歯科医師連盟)は、政治と金の問題で2回関係者が逮捕されています。2001年の政治家への闇献金、それにも懲りず2017年の政治資金の迂回献金、まあ恥ずかしい話です。

何故そんなことをするのか?答えは簡単。なんとか歯医者の診療報酬を上げてもらうために他なりません。先ほど診療報酬改定の話をしましたが、そりゃあ報酬が上がった方が儲かるのでうれしいですよね?でもだからと言って、賄賂はダメでしょう、賄賂は。この話題が歯科医師会で上がったときに「もっと上手くやらないと」と言っている先生がいて愕然としたことがあります。

診療報酬を上げるためには「国民が歯を大事に思ってくれるような環境を作る」これしかありません。みんなが歯を大事にするようになれば、そこにお金(予算)がついて、治療費が高くなり、報酬が上がるわけです。だから歯科医師会はこっそりと政治家にお金をあげるのではなく、国民に向けて歯の大切さをアピールして国民の皆様の歯の健康の優先順位を上げる努力をすればよかったわけです。

国民の皆様が歯を大事にするようになることってそんなに難しいことなのでしょうか?私はそうは思いません。歯って単純に大事じゃないですか?食事するときに一番大事だし、笑ったときに歯並びいい人のが好感持てませんか?そんなに難しく考えなくても、非常にわかりやすい話だから、少し啓蒙活動でも頑張れば、多くの国民の皆さんは歯の優先順位を上げてくれると思います。

そもそも歯科医会に入るのは義務なの?

歯科医師会に入るのは義務ではありません。現に若い先生を中心に入っていない人は一定数います。田舎ですと9割以上の人が入会していますが、都会だと3割くらいの先生は入っていないのではないでしょうか。ちなみに弁護士会は入会しないと弁護士活動ができません。それもおかしな話です。しかも会費が月数万円単位と激高です。自分達の業界を守ることは大事かもしれませんが、それを強制するのはいかがなものでしょう。競争原理が働かない業界は腐敗するのは目に見える話です。

歯科医師会に入会することは実際のところ若い人はメリットを感じないのが実態だと思います。結局やり方が根回し、裏工作中心なのでので若い人たちの肌感覚には合わないでしょう。入会時には入会金として数百万の金(地域によって違いますが)を揃えなければなりません。

入会のメリットとしては行政からの情報を流してもらったり、行政指導になった場合に助けてもらったりすることでしょうか。また歯科医師会に所属していないと、学校の校医になれなかったり、行政主体で運営されている健康診断に参加できなかったりします。

だいたい今どき組織に入るのにそんな数百万単位のお金を払う人がいるでしょうか?時代錯誤もいいとこだと思います。ネットが普及した現代では情報も得やすくなっているし、現時点では歯科医師会に入るメリットというのはなくなってきていると感じます。

とはいうものの、私は歯科医師会には入っていましたし、歴史もそれなりにあるために会員数も多く、まだまだ底力はあると思います。どこの組織もそうですが、一昔前に甘い汁を吸ってた人たちが動かしている組織は今の超高度情報化社会においてはかつてのやり方では通用しなくなっています。相撲協会しかり、財務省しかり。歯科医師会が若い歯科医師が入りたいと思う組織へと変遷を遂げ、国民の皆様に必要なサービスを提供できる団体になることを期待しています。

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