医療ではなくビジネス!?歯科医院の経営実態とは

なぜ開業するのか

日本全国至る所に歯科医院が存在します。そもそもなぜ歯科医師は開業するのでしょうか。勤務医ではダメなのでしょうか。

歯科医師が開業する主な目的は二つです。一つは自分のやりたいやり方で仕事をしたい。もう一つはより多くのお金を得るためです。よく病院のホームページには「地域に貢献できたら」とか「自分の学んできたことを提供したい」とか言いますが、大人の事情ですね。みんな良い生活がしたいために開業するのです。

歯科医師として仕事を継続する場合は病院に勤務をするか自らが独立をするかどちらかの選択になりますが、ほとんどの人が独立を選択します。医師と違って大きな病院に歯科が少ないので、歳を取った時に若い人に使われる立場になることをどうしても危惧してしまいます。そのため選択肢がないためにやむを得ず開業をするという人も多いのが現状です。

開業すると何が変わるのか

開業すると勤務医の頃と比べて一番変わるのが立場です。給料を払う側に立つのか給料を払われる側に立つのかというポジションが一番の違いです。

世の中は給料を払う人(経営サイド)と給料をもらう人(雇用サイド)の2種類しかありません。開業すると前者の立場になる訳です。

歯科医師が開業するときに、一番問題なのが経営者としては素人だと言うことです。素人が会社を起こすとどうなるのか。経営的にはめちゃくちゃになります。しかしながら歯科医院はそれでも簡単に潰れれません。他の業種に比べて収入が入ってこないと言うことがないからです。日本では保険診療システムが確立されているので病院は安心安全の場所であるというイメージが強いと思います。

またこれは単なる需要と供給の問題でもあります。歯科医院の過剰問題はメディアで記事になるレベルですが、それでも普通に診療をしていれば全く患者が来ないと言うことはありません。ゆえに収入面からすぐに閉院に追い込まれると言うことはありません。

経営を分けて考えよう

経営の要素は大きく分けて、①顧客(患者)管理、②スタッフ管理、③財務・経理に分けることができます。これらの要素を一つずつ考えていきましょう。

真面目な人ほど経営に失敗する?

開業するということは良くも悪くもビジネスをするということです。良いサービスを提供するというより、良いサービスだったと思ってもらうことが大切です。そういう意味で、真面目ではなく上手くやるかどうかが、大切になってきます

誠実であることは大切ですが、同時に利害の違う立場の人間の意見をうまくまとめる場面というのが出てきます。そこではストレートだけではなく変化球も必要になることも出てきます。

顧客(患者)管理

患者さんにとって良い院長とは?

真面目な先生ほど、どの患者さんに真面目に説明します。ただしそれは間違いかもしれません。

そもそも患者さんというのは医療に詳しくないし、興味もない人も多くいます。そんな人に説明を懇切丁寧にしたところで、患者さんは話が長い先生だなとしか思いません。もちろん丁寧に説明してくれる先生だなと思っている人もいるかもしれませんが、それは少数派です。

人気のある先生は良い意味でいい加減です。必要な説明は当然しますが、無駄な話はしません。無駄な話をするぐらいなら治療する時間に時間をあてた方が、売上が上がるからです。たくさんの説明を求めている患者さんからしたら、不満につながることはありますが、それは少数派なのでビジネスとしては必要がない患者さんになります。

スタッフ管理

スタッフにとって良い院長とは?

スタッフに対してはどうでしょうか。

スタッフに対しも同様ですが、真面目な先生は真面目に対処してしまいます。

そもそも一般的には歯科医師とその他のスタッフでは、歩んできた人生、周りの環境、元々の能力、費やした努力の量が全く違います。そもそも価値観が全く違うので、スタッフの価値観に近づけることが大事です。

経営を上手にされる先生はスタッフのコントロールが上手です。特に女性が多いので女性をうま苦やりとりができsるが歯科医院の院長としてうまくいく可能性は高いともいます。

そもそもスタッフが仕事ができなくてもそれはそれで受け入れる、スタッフの話に従う必要はないが、とりあえず耳は傾ける、スタッフが喜びそうなことを随所に取り入れる。このようなことをうまくすることがビジネスとしては重要です。

財務・経理

財務・経理とはお金の管理です。経営というのはお金の管理と言っても過言ではないですが、歯科医院の開業は会社のお金を管理をしたことがない人がいきなり社長になるようなもので大変怖いことです。

そうはいっても開業前にお金の管理の仕方を学ぶチャンスというのは全くありません。大学在学中はもちろんのこと勤務医として勤めていても決算書を見る機会もなければ説明してくれる経営者は皆無でしょう。

現実的には開業までに決算書の読み方を一通り勉強して、本番に臨む他ありません。開業を考えられている先生は少なくとも1年間くらいかけて徐々に決算書が読めるようにする必要があります。

コメント