矯正治療は何歳から始めるのが正解?

矯正・インプラント
Close-up young boy applying retainer orthodontic appliance. Health care or dental hygiene concept. Soft focus

歯は顎(あご)骨という器に埋まっている

矯正治療は何歳から始めるのが正解かというゴールを目指すために、必要な知識がありますので、そこを押さえていきましょう。

自分の歯を眺めてみてください。歯というのは歯茎に埋まっているように見えます。実際は歯茎の内側にある骨に埋まっています。つまり骨という器の中に歯が並んでいるわけです。

子供の矯正と大人の矯正の違いを理解しよう

次に「子供の矯正と大人の矯正って何が違うのか?」ということを掘り下げていきます。子供は、「顎=歯が埋まっている器」が成長します。一方大人は「顎=歯が埋まっている器」が成長しません。ここが決定的な違いです。

もうひとつ重要なことがあります。噛んだ時に上と下の歯が当たっていることを確認できると思います。カチカチと噛むと毎回同じところで噛むと思いますが、上と下の歯が当たっていることが分かります。歯は顎の中に埋まっており、上と下の歯が噛むときに接触しているという状況です。

顎が成長している状態(=子供の時)で歯を並べていくとどのようなことが起こりそうでしょうか。せっかく歯を並べても顎=器が成長すると上顎と下顎の位置関係が変わってくるので並べた歯が上下でうまく噛まない状態になる可能性があります。

このような理屈で、一般的に子供の場合は歯を並べることはありません。歯を並べても顎(歯の器)が成長すれば、上下の位置関係はずれて、ちゃんと噛めなくなります。

子供の矯正治療とは?大人の矯正治療とは?

子供の時の治療は顎=器の成長のコントロールです。器が小さければ大きくしたり、上下関係が悪ければそれを正していくということをしていきます。歯並びを良くしていくことではないということが重要です。結果歯並びも改善さえれるということもあります。

一方大人の治療は個々の歯を整えていく治療になります。ではいつから大人の治療を開始するかというと顎の成長が止まってからです。これは身体的成長に照らし合わせると理解しやすいと思いますが、女の子であれば14〜15歳、男の子であれば15〜16歳くらいです。

結局何歳から始めるのがベスト??

「何歳から矯正治療をはじめるべきか」という問いに正確にこてると人によって違います。顎の成長のコントロールが必要な子供は子供の時から、逆に顎の成長のコントロールが必要ない子供は大人になってからでOKだということになります。

子供の時に矯正した方が良いのかというのは症例によりますが、専門家でも答えが出ない問題だと思います。子供の時に矯正したことで状況が悪化するということはないので、迷うくらいなら子供の頃から始めるというのも一つの選択肢だと思います。

歯並び以上に噛み合わせが大事

矯正というと歯並びに着目しがちですが、噛み合わせも大事です。ピンセットをイメージしてみてください。一方のピンセットって先が合っているので物を掴めますが、先がズレたら掴めないですよね?歯も一緒です。歯がきれいに整列していても上の歯と下の歯がうまく噛み合っていないと上手く噛めません。

また、矯正をした後、矯正装置がはずれた瞬間に歯は動き始めますが、隣の歯や噛み合う相手方の歯がうまく噛み込むように歯を並べておかないと、後戻りの原因となります。僕はこのために後戻りを起こし、2度矯正をしました。矯正終了時はゴールではありません。きれいな歯並びを維持管理して、その後の人生を豊かにしていきましょう。

早く始めるメリット

いつから矯正を始めたら良いかの正解はないと思いますが、早く始めた場合のメリットは以下の通りです。

1抜歯の確率を
下げられる
顎の成長が終わってからの成人矯正では、歯を並べるスペースをつくるために抜歯することがあります。それに対し小児矯正では、自然な成長の力を利用して顎の正しい成長を促しスペースを確保するため、抜歯せずに治療できる可能性が高まります。
2治療期間を
短縮できる
成長期にある子どもの場合、治療に自然な成長の力を利用できる上に歯が動きやすく、成人矯正よりも治療期間が短くすみます。
3永久歯の生える
準備ができる
永久歯が生えそろう前に、顎の大きさを正しく成長させ環境を整えておくことができます。あらかじめ、永久歯がきちんと並んで生えてこられる準備をしておけるのです。
4コンプレックスを
解消できる
思春期のお子様は、自分の容姿を気にするものです。歯並びの乱れも、お子様のコンプレックスにつながる大きな要素になりがちです。子どものうちに歯並びを整えておくことで、思春期にコンプレックスを抱かずにすみます。

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