歯のつめ物はどの材料が良い?プラスチックの罠に気をつけよう!!

一般歯科
3d render of jaw with teeth and three types of inlay over white
患者さん
患者さん

歯医者に行って虫歯が見つかってしまったのよね。保険の範囲内で治そうと思っているけど、銀歯とプラスチックという選択肢があるみたい。どっちがいいのかなあ。

つめ物の治療の中で保険治療のラインナップは2つだけ

保険治療のつめ物は2種類しかありません。銀歯とプラスチックです。この選択をどのようにしていくのかが重要です。

むし歯になった歯が前歯(八重歯まで)の場合と奥歯(八重歯より後ろの歯)の場合で分けて考えます。

前歯に関してはプラスチックという選択しかありません。部分的な虫歯であればプラスチックをつめるということになります。前歯は話が簡単です。問題は奥歯です。

見た目以外に目を向けよう!

シルくん先生
シルくん先生

デメリットというのは見えやすいし気づきやすい、メリットというのは見えにくいし、気づきにくいので注意してください。

「奥歯がむし歯になっており、削りました。銀歯と白いプラスチックどちらで治しましょうか?」こう先生から言われたらあなたならどう答えるでしょうか。

深く考えなければ、白い方がいいに決まっています。誰も好き好んで歯を銀色にしたくないですよね。ここで大切なのは深い思考です。銀歯とプラスチックのメリットデメリットを深く考えられるどうかが大切になってきます。

銀歯と白いプラスチックのメリットとデメリットを比較しよう!

まず銀歯のメリットは割れにくいということです。金属というのはプラスチックなどと違い粘性があります。この辺りは理工学も絡んできますが、物というのは硬ければ割れないというものではありません。むしろ割れないだけなら柔らかいものが割れないでしょう。例えば粘土は割れませんよね。ただ粘土を歯につめても咬む能力は少なくなります。ある程度硬くて割れないものが理想的なつめ物になります。

銀歯のデメリットは銀歯は錆びる、溶けるということです。銀というのは金属の中でも安定性が少ない。だから錆びることがあります。金などは錆びませんから、保険外では使用されたりします。銀が使用されている理由は安いから。保険治療というのは国民皆さんに幅広く提供されなければならないから安くないといけません。当然材料も安くないとできません。

また金属アレルギーの問題もあります。アレルギーを引き起こしやすいニッケル、クロム、パラジウムという金属も含まれており、銀歯を外したらアレルギーがなくなったという報告は多数あります。それでも日本では銀歯が当たり前のように使われています。すべての人にアレルギー症状が出るわけではないですし、強く症状が出るのはその中でも一握りです。

次にプラスチックのメリットです。メリットは色が白い、それだけです。金属と比べたらアレルギーの問題がないということが言えるかもしれません。

デメリットは割れやすい、またむし歯になりやすいということです。咬む力や噛んだ時に隣の歯同士にかかる力は相当なものです。咬む力は自分の体重くらいかかると言われています。小さなプラスチックを踏みつけてしまったときの事を考えてみてください。「パキッ」と割れそうじゃないですか?

デメリットは常に陰の存在

プラスチックは微細な日々割れを起こすかもしれないけれど・・・などと言ったら患者さんは迷います。そして実際の場面では十分に説明の時間を確保することは難しい。そうであれば何となくプラスチックか銀歯を選んでもらって、自分が選んだのであれば患者さんも納得してくれるだろう・・・そのように考える先生もいると思います。先生も普通の人間ですし、面倒なことが嫌いですから。

ただしすぐに問題が起こるわけではありません。数か月、数年後に問題が出てくるケースが多いわけです。忘れた頃に問題が起こるかからタチが悪い。患者さんもいつどこで治療をしたかなんて覚えていませんから。

そもそもプラスチックをお口の中できれいにつめていくというのは難しい作業です。特に奥歯の歯と歯の間にきれいにつめるなんていうのは至難の業で、一見きれいに詰めているように見えてもむし歯菌からしたら、入っていくスペースがありありなわけです。また強い力がかかれば接着していたものがはがれ、これもまた虫歯菌からしたら格好の的になるわけです。

歯と歯の間だけでなく、咬む面に関しても問題があります。それはプラスチックは擦り減っていくということです。要はかみ合わせが変わっちゃうんですね。何個もプラスチックが入っていてすり減るという状況になると、咬み合わせは低くなり、その後の治療に大きく影響してくるでしょう。ただこの影響もすぐではなく数年後なので忘れ去られてしまいます。

患者さn
患者さn

プラスチックと銀歯の違いは分かったけど、結局何を基準に選んだらいいのかしら。

このような人は銀歯がおすすめ
  • 色は比較的目立たない場所(八重歯より後ろの歯)であれば何とか我慢できる
  • 汚れが溜まりやすくなったり、虫歯ができやすくなるのは嫌だ
  • 今日明日より数年先を大事にしたい
このような人にはプラスチックをおすすめ
  • 問題が起きやすくなってもいいから、とにかく白い色がいい
  • 金属だけはアレルギーとか出そうだし嫌だ
  • 数年後より今を大事にしたい

最後に

いまだに奥歯にプラスチックのつめ物をする歯医者がいますが、個人的には反対です。銀歯が最高とは思いませんが、保険の範囲であればましな治療なのではないか、そう思います。もちろん金属アレルギーの方はこの限りではないですが。

物事を的確に選択していくときに大事なのは深い思考です。人によって価値観が違いますからすべての人が納得する答えなんてないですが、自分に合った選択をしていきましょう。

コメント